これから「登別温泉」 「クマ牧場」 「ユーカラの里 アイヌ生活資料館」の3つをご紹介します。
温泉でゆっくり一泊してから、クマとアイヌの資料館を見てみようという旅です。
北海道にクマ牧場があると知ってから、私はずっと行ってみたいと思っていました。
いくつかあるクマ牧場の1つが登別温泉の近くにあって、行く方法はロープウェイだけというのもワクワクしました。
クマの生活圏内に人間がはいっていくんだなって思ったのです。
実際は動物園なので、そんなスリルはないのでしょうけれど。
このクマ牧場に隣接して、ユーカラの里というアイヌの資料館があるのです。
北海道はもともとはアイヌ民族の国でした。
実際、地名にはアイヌ語に当て字をしたものが多いです。
日本という国の勝手で北海道は日本の土地になっていますが、アイヌの歴史を無かったことにしてはいけないと感じていました。
登別の名前は、アイヌ語の「ヌプルペッ」という音に漢字をあてはめたものです。
ヌプルは「霊力」を指す言葉です。
これから湯を楽しむ登別温泉は、支笏洞爺国立公園地域の最南端の場所にあり、山の奥にあります。
明治時代に温泉宿が設けられてから、観光地として有名になり
「にっぽんの温泉100選・総合ランキング」では毎年上位をキープししています。
登別という地名は、アイヌ語の「ヌプリ・ペツ」に由来していて、
「水色の濃い川」という意味なのだそうです。
倶多楽湖はおよそ4万年まえの火山活動によってできたカルデラ湖だといわれています。
名前の由来は、アイヌ語の「クッタルシト」(クッタルシの湖)。
原生林に囲まれ湖面がコバルトブルーに輝くほど、全国の湖沼で、日本有数の水質と透明度を誇る湖です。
川から水が入出する池ではなく、湖底から水が湧いているのだそうです。
支笏洞爺国立公園の特別区域に指定されていて、優れた環境を持続させるために大型バスの通行が規制されています。
クマ牧場から全景が見えます。
登別温泉
登別温泉には10の泉質があるとされ、至る所から源泉が湧いている、世界的にも珍しい温泉地です。
古くから湯治場として利用されてきました。
登別温泉の一帯から湧いている9つの種類の泉質。
それは、自然湧出量1日1万トン、温度は45~90℃の高温です。
そして、登別温泉から8km離れたところにあるカルルス温泉。
登別の奥座敷です。
小さな温泉郷ですが大昔からアイヌの人々の間では、薬湯として知られていました。
ラジウムを多量に含有する泉質で、かつては旭川陸軍予備病院の療養所となり、日露戦争傷病兵の保養地として利用されていました。
現在は国民保養温泉地に指定されています。
登別温泉・カルルス温泉の「10の湯」
- ゆで卵のにおいの「硫黄(いおう)泉」
- 湯冷めしない「食塩泉」
- 皮膚を引き締める「みょうばん泉」
- 血流を良くする「芒硝(ぼうしょう)泉」
- 体の芯まで温まる「緑ばん泉」
- 鉄を含む赤褐色の湯「鉄泉」
- 殺菌力が高い「酸性泉」
- 肌がすべすべになる「重曹(じゅうそう)泉
- 鎮静作用のある「ラジウム泉」
- 産湯にも使える「単純温泉」
お体の状態に合わせてお湯を探すといいですね。
薬効の強いお湯は長く入りすぎると逆に良くないことがあるので、浴場にある説明を良く読んでくださいね。
登別の鬼たち
登別にはたくさんの鬼がいます。
登別にある地獄谷。
噴火は大地が生きるあかしであり、火口跡からは天界の恵み、万物効能の湯が沸き出ています。
そして、地獄の谷には薬湯を護る鬼神たち(湯鬼神)が住んでいるといわれているのです。
湯鬼神(ゆきじん)たちは、定めに従って夏の八十八夜、時津風(ときつかぜ)の吹く時に、
地界に住む人々のために松明(たいまつ)をかかげて、
病気や災難などの厄をすべて拾い集めるために太鼓を打ち舞い踊り、
集めた厄を焼き払ってくれるのだそうです。
鬼花火
迫力たっぷりの鬼花火が地獄谷で開催されています。
6月以降午後8時~15分程度。
曜日を決めて開かれるようなので、事前に宿などに問い合わせてくださいね。
登別地獄まつり
毎年8月の最終土曜日・日曜日!
年に一度の地獄まつりの日だけ、温泉街の極楽通りを閻魔大王が練り歩くのだそうです。
登別地獄まつり(のぼりべつじごくまつり)は、地獄谷から地獄の釜のふたが開いて、閻魔(えんま)大王が鬼たちを引き連れて地上に訪れるという伝説によるお祭りです。
恒例で、登別太鼓や中学生が担ぐ鬼みこし、鬼踊りなどがあるようです。
登別温泉湯まつり
毎年、厳寒の冬、節分のころに湯まつりが開催されます。
豊富な湯量と多彩な泉質を誇る「湯」への感謝と、湯が尽きることのないよう繁栄と無病息災への祈りを込めた祭りです。
湯鬼神(ゆきじん)の群舞、宿などへの厄払い訪問、湯鬼神かぐら、子宝もちつき舞、そして最終日の夜には下帯姿の男性たちが激しくお湯を掛け合う「源泉湯かけ合戦」が開催されます。
のぼりべつクマ牧場
クマ牧場は大人も子どもも楽しめて勉強になる施設です。
現在、クマに特化した動物園は日本には5か所在るようです。
北海道 サホロリゾートベア・マウンテン
北海道 昭和新山熊牧場
秋田県 くまくま園
岐阜県 奥飛騨クマ牧場
この中で、得に充実しているといわれているのが、のぼりべつクマ牧場。
のぼりべつクマ牧場が目指すのは「動物福祉の向上」と「データの蓄積」です。
近年、クマによる事故が増えているといわれています。
原因については言及しませんが、民家にクマが侵入してきて、鉢合わせしたために襲われて怪我をしてしまったり命の危険もあり。
クマの目撃数や駆除数は増加し、クマは人間にとっては恐ろしい存在ですね。
それに対応するためには、クマを恐れるだけではなく、クマを知ることが重要という考えなのです。
のぼりべつクマ牧場では、クマに多様性があること、そして人間が恐れるヒグマの科学的データを蓄積しています。
国内での学会発表はもちろん、英文の学術雑誌にも論文を掲載されています。
60年以上の歴史を持つクマ牧場であるため、クマの飼育環境についても課題を捉え、その為のノウハウと、動物福祉の向上を目指しているのだそうです。
世界唯一のヒグマ博物館もあり、クマってこんな動きをするんだなっていう発見もできます。
しかもここにはクマだけではなく、アヒルやリスもいて、盛り上がるイベントが有るようです!
アクセス
JR登別駅より路線バスで約15分。
登別温泉バスターミナルより徒約歩5分。
登別温泉ターミナルに到着。
クマ牧場の料金所・ロープウェイ山麓駅まで、徒歩で5分。
車で行く場合は、山麓駅前に駐車場があります。
(「のぼりべつクマ牧場 ロープウェイ乗り場」で検索するといいそうです。)
登別温泉街からはシャトルバスが出ているので、宿に問い合わせるといいですね。
山頂のクマ牧場まで行く方法は、ロープウェイのみになりますが、高速ゴンドラ(6人乗り)で山頂駅まで、15秒間隔で運行されています。
全長1260m、高低差300mを最短約7分で一気に駈け登ります。
ロープウェイ料金も入場料金に含まれています。
車椅子の場合は、専用の車椅子に乗り換えてゴンドラに乗るようになっています。
クマ牧場は屋外施設なので、雪がある時期は避けた方がよさそうです。
人が乗ることができない楽しいゴンドラがあるそうなので、探してみると面白いかもしれません。
第一牧場(オス)
まずは、エゾヒグマのオスたち。
ヒグマは、東アジア最大の陸上動物ならではの体格をもっています。
オスのヒグマはメスのヒグマに比べて、動きは少ないのですが、見ものなのは、毎年5~7月の発情期間。
この体格のクマ達によるボス争いは、迫力があります。
この第一牧場には、ヒトのオリがあります。
人間が檻の中にはいってクマに見られる設定。
クマに近い場所でじっくり観察できるのですが、逆に獲物として狙われるような感覚を体験することになるでしょう。
どのオスクマもボスを目指し、そろぞれ個性があるのです。
そんなところも楽しめそうです。
第二牧場(メス)
迫力満点のどっしりとしたオスのヒグマに対して、メスのヒグマは動きが早くて活発なようです。
メスのクマは、オスのクマたちとは一味違って、立ったり、ポーズをとっておやつをねだったりします。
クマは知恵と優れたバランス感覚をもっていて、手先も器用なんですね。
この第2牧場では、クマ牧場のクマたちを一番良く知っている飼育員が、クマの特性や行動などを実験を交えながら分かり易くガイドしてくれます。
クマにも好きな食べ物や嫌いな食べ物があるのだそうですよ。
メスのクマ達には2つのグループがあるようです。それは「好奇心が旺盛で遊び盛りの若いクマたち」と「おねだり上手なベテランのクマたち」。
季節によって、見られるクマたちのグループが違うようです。
子グマ牧場(子グマの幼稚園)
子グマが生まれた年は、ぬいぐるみのような子グマたちを見ることができます。
例年4月末~11月下旬まで公開しているそうです。
ユーカラの里 アイヌ生活資料館
ユーカラ (yukar) は、アイヌ民族に伝わる叙事詩の総称です。短いものから何日もかけて語られる長いものまであるのですが、アイヌは文字を持たないので、口承で伝えられてきたそうです。
「ユーカラの里」は、クマ牧場に併設されています。
クマがすぐそばにいる環境でアイヌ民族は生活していたということなのかなと思いました。
クマ牧場に入園しているので、ユーカラの里入村は無料です。
ここでは、失われつつあるアイヌの貴重な文化遺産を保存し、有形文化財を後世に伝えるために、明治初期のアイヌの生活様式を忠実に再現しています。
アイヌ生活資料館では、ポロチプ(大きな舟)やタマサイ(首飾り)、エチュシ(酒差し)、エムシ(刀)などや、人に見せるものではないような身近な物など、アイヌ民族の貴重な生活用具が展示されています。
建物の様子や道具を見ると、先住民族であるアイヌは、自然と良く調和のとれた生活をしていたことが伺えます。
アイヌ文様の衣装を体験することができるようです。(5月~10月まで)
アイヌの晴れ着は現在、日本の着物と同じような立ち位置になっていて、普段から着るものではなく、晴れの日や大切な儀式の日などに着るのだそうです。
現在は主に木綿を素材に作られていますが、かつては、獣の皮、サケなどの魚の皮、オヒョウやシナノキなどの樹皮の繊維、イラクサなどの草の繊維などが使われました。
たとえば樹皮の繊維の場合は、山で採ってきた立木の樹皮を裂いて糸を作り、機織りで反物にして縫い合わせ、そこに木綿の布や糸で刺繍を施して仕上げます。
こうした自然素材の着物の製法を維持するには、素材の入手、処理、保管から制作まで、人手と手間、場所が必要です。
さらに現在の状況で、アイヌの衣装に使用される本来の素材を安定的に手にいれるためには、環境の維持や、採取をするための制度的なサポートが必ず必要なのです。
刺繍の文様は、装飾と補強を兼ねています。
またその文様には安全を願う思いなどが込められているそうです。
北欧のノルディックセーターの編み込み模様や柄と同じ意識ですね。
青森のこぎん刺しもそうです。
柄や文様には、長い歴史や、着る人々の願いや信念が込められているのですね。
現在では普段持ち歩くための手提げ袋や小物入れなどにも装飾が施され、生活の色々な場面で楽しまれています。
雪の無い時期の期間限定で、1点1点手作りの木彫りの工芸品や、アイヌ文様刺繍の入ったバッグ・名刺入れ・ポーチなどのが売店で購入できます。
アイヌ民族は「物には魂が宿る」と考え、自分が作った道具も他から購入した道具も「共に生きるもの」として大切に取り扱うそうです。
北海道は広いので、場所ごとにアイヌの生活も違いがあるのかなと思いました。
いくつか資料館があるようなので、ぜひ行ってみたいです。
登別温泉近辺のおすすめホテル
登別温泉 第一滝本館
登別温泉 第一滝本館(だいいちたきもとかん)は敷地が広くて、歴史も古く創業160年を超えています。
登別温泉郷の9つの泉質のうち、5種類の泉質を7つの源泉からかけ流しで引いているので、居ながらにして湯めぐりを楽しむことができます。
その広さは1500坪!このひろびろとしたスペースに、大小35のお風呂が設置され、自然光の解放感と窓の外の雄大な風景を楽しめます。
宿の外には季節ごとの注目スポットがあり、内にもアミューズメント施設などが多くあるので、散策するだけでも楽しそうです。
登別温泉 登別万世閣
登別温泉 登別万世閣(のぼりべつまんせいかく)
この宿の温泉は、かけ流しで引いており、
酸性-含硫黄-鉄-単純温泉(硫化水素型)で、硫黄の香の乳白濁湯です。
それに加えて「サウナのイメージを覆すフィンランド式サウナ」
国産ヒノキと白樺で設えてあるそうです。
サウナストーンに水をかけ、マイナスイオンを含んだ蒸気のなかで無理なく発汗するタイプです。
さらに、登別温泉の源泉をそのまま冷却した水風呂が採用されています。
これは登別温泉では初なのだそうです。
女湯には子ども用の畳敷きの洗い場が用意されていて、小さな子ども連れでも安心して温泉が楽しめます。
登別温泉 登別グランドホテル
登別グランドホテルの売りは、
こだわりの鬼サウナです。もちろんそれだけではないのだけれど、、、
鬼灯(ほおずき)湯と竜胆の(りんどう)湯という、太陽の光が降り注ぐ2つのローマ風大浴場があって、
それぞれにサウナはあるのですが、鬼灯湯の方に更に「鬼サウナ」がオープンしています。
鬼をイメージしたインテリアで温度は110度のオートロウリュ式。
水風呂は直径170㎝の巨大樽!
凍結事故防止のために、4月から11月の期間限定で、12歳以上の制限あり。
面白そうですね。
2つの湯は夜中に男女の入れ替えがあるので、1泊すれば両方の浴場が楽しめます。
まとめ
登別温泉は「にっぽんの温泉100選・総合ランキング」では毎年上位をキープする歴史がある温泉郷。
10の泉質の湯がいたるところから湧き出ている、まさに温泉のデパート。
登別には薬湯を護る鬼たちががたくさんいる。
登別温泉では、湯への感謝と湯がつきることがないよう繁栄と無病息災への祈りを込めたお祭りが行われている。
クマ牧場が目指すものは動物福祉の向上とヒグマのデータの蓄積。
オスとメスの行動の違いがとてもよくわかる。
貴重なアイヌの文化は文化遺産として守られようとしている。
他のアイヌの資料館もぜひ見たい!
そして何よりも、温泉宿ではいろいろな泉質やサウナが充実!
やっぱり泊まるなら温泉だよね!て本当に思いました。
【朗報】クマ牧場に、ふるさと納税が使えます!
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